大作戦の予感…|タイランド編22

思い出のフォーシーズンズリゾート・チェンマイの水牛

新婚旅行で初めての海外デビュー果たした僕は、無事タイから帰国した。

よく「楽しい時間はあっという間だ」と言われるがまさにその通りだ。石やレンガでつくられた寺院や遺跡、普段はあまり目にする事のない植物やフルーツの山、日本語が聞こえてこない空間、例を挙げればキリがない無いがどれもこれも僕を楽しませ、時には不安にし、そして驚かせてくれた。

今思うと、ここ数年でこんなに心を震わせた事は無かったと思う…

良い時間だった…

僕はあれ以来、すっかりタイの虜になってしまっていた。そして、シーズン節目の大仕事が一段落するたびに3泊5日でタイに行くようになった。

タイは心のオアシスなのさ…
(八木の心境を代弁するリスザル)

そんなある時、僕に転勤の命令が下りた。転勤自体は、すでに慣れっこで特に問題は無かったが、一つだけ困った事があった。

それは…

嫁さんのリラクゼーションサロンの事だ。

我が家は、単身赴任はしないと決めているのでお店を閉店させることになる。もちろん、そのこと自体も問題なのだが、同時に今後どうするかという悩みもあった。そこで僕達が出した結論は、転勤先でもサロンを開くだった。

しかし、行った先で開業してもすぐには集客は見込めない…

なにか特徴が欲しい…

考えろ…きっといい方法があるはずだ…
(八木の心境を代弁するリスザル)

そこで導き出した答えは

タイマッサージを取り入れる!

そこで…

嫁さんを1ヵ月間タイへ修行に出す‼

当の嫁さんもやる気満々だ。

結婚して以来、離れて暮らすのは初めてだったため少し寂しい気もするが…

ここは嫁さんの頑張りに

期待大だ!

~転勤先にて~

転居を済ませ、計画通り嫁さんをタイへと送り出した。

僕は異動先での仕事が始まった。不慣れな職場は、気を使うことも多く大変ではあったが、海外にいる嫁さんの事を思えば弱音を吐いてはいられない。早く現場に溶け込みたいという気持ちもあり、僕は夢中で働いた。

嫁さんとは、ライン電話などを通じて連絡を取り合う事にしていたが、大体それは、僕の仕事が終わる夜の9時辺りにかかってくる事が多かった。タイとの時差はおよそ2時間だから、現地は夜の7時頃だろう。

話の内容は、ほぼマッサージ学校での出来事や海外生活の状況を報告がてら、お互いの安否確認をするというものだったが、慣れない環境で働く僕にとっては、ちょっとした楽しみになっていた。

しかし、そんな嬉しいはずの時間も、時には困った状況を作り出す場合がある。

それは…

ビデオ通話だ!

確かに、嫁さんの顔を見ながら話せるという点では、素晴らしい機能だと僕も思う。

なんなら

技術の発展バンザイだ!

問題は通話相手の状況なのだ。

いつもどおり、嫁さんと話すだけなら良いのだが…

ごくまれに嫁さんが同僚と食事しながら連絡してくる事がある。

そうなると大体…

同僚もビデオ通話の画面に出てきて、超笑顔でこちらに向かって手を振ったり、「はじめまして」と話しかけてきたりするのだ…

断じて言おう…

それ自体は決して悪い事ではない!

むしろ、いつもお世話になっている嫁さんの同僚の方には、感謝の気持ちすらある。

しかし…

電話の向こう側とこちら側には、温度差があることを分かってほしい…

そんなとき僕は…

いつも奥底に困惑をにじませた笑顔での対応を強いられるのだ!

当然、「はじめまして…」位の言葉しか思い浮かばない…

ムリだから…会話つづかないから…
(八木の心境を代弁するリスザル)

何とも、いかんともしがたい状態だ。

僕はこの時間の事を‥

ビデオ通話の悪夢

と呼んでいる。

同僚の皆さん、ごめんなさい…

決して悪気はないんです!

ただ僕が、極度の人見知りなだけなんです!

そんなこんなで1ヵ月経ち嫁さんが帰ってきた。

もともと日本の手もみの技術があった事もあり、タイマッサージの技はもちろん、タイ語もそこそこ身につけての帰還だった。

正直いって思った以上の成果だった。

わが嫁ながら

頼もしいの一言に尽きる!

僕はそう思うと同時に

もしかしたら…

1ヵ月くらい現地にいれば、自分もタイ語が身につくのでは…

もし…

タイ語が話せるようになれば…

タイで活躍できるのでは…

と考えるようになった。

そして、遂にそれを体感する時がやってきたのだった…

それって…大作戦の予感じゃなくて…勘違いの予感では…
(言いにくい事を鋭く指摘するリスザル)

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